最近は、サーフボードも進化し、浮力が十分あり、怪我もしにくいソフトボードなどが、
初心者でも楽しくサーフィンできるとして、人気を集めています。
しかし浮力の大きなボードは、波をやり過ごすことが難しく、沖に出るのが大変というデメリットもあります。
ショートボードなどの浮力の小さいボードの場合は、波をスルーするときに、ドルフィンスルー(ダックダイブ)ができるが、浮力の大きいサーフボードを使っている場合、サーフボードを自分の体重で沈めることができません。
浮力のあるサーフボードだから、ドルフィンスルーできないよ…。
本記事では、浮力の大きいサーフボードでの波のスルーの仕方をご紹介します。
浮力の大きいサーフボードで波をやり過ごす方法
浮力の大きいサーフボードで波をやり過ごす方法は、主に以下の3つがあります。
それぞれ紹介していきます。
1. プッシングスルー
プッシングスルーは、波が来たときに、
手でボードを水面にプッシュしながら自分の体を浮かせることで、
サーフボードと自分の間に水の通り道を作ってあげることによって、
波をやり過ごす方法です。
スープになった小さな波などをスルーするときに役立ちます。
しかし、大きなスープはそのまま流され、後ろ向きでサーフィンすることになるので、状況に合わせてローリングスルーに切り替えましょう。
2. シッティングスルー
シッティングスルーは、波が自分にぶつかる直前に、波待ちのようにボードに座った状態から、ボードの浮力を使って、シーソーのように波を越えることによって、波をスルーする方法です。
とくに、波がブレイクしかけのときに使用すると、
波をスルーしつつ次に沖から来るうねりをすぐに確認することができます。
しかし、プッシングスルー同様、大きくブレイクした波の場合はそのまま押されて、最悪巻かれるため注意が必要です。
3. ローリングスルー
ローリングスルーとは、自分の体をサーフボードごと回転させ、体をボードの下に潜り込むことによって、波をスルーする方法です。
(海外では『タートルロール(turtle roll)』といわれています。)
ローリングスルーは、比較的大きな波でもやり過ごすことができます。
しかし、一回転させるのは手間がかかる上に、
ローリングスルーした後に体制を整えて、パドリングを再開するまでに時間がかかるため、うねりの周期が短いときなどは、ローリング祭り状態になってしまいます。
プッシングスルーなどで対処できないと判断したときに使うようにしましょう。
そして、スルーした後はすぐにパドリングを再開させましょう。
- パドルでスピードをつける(ある程度沖に向かうスピードがなければ岸に戻されます)
- レールをつかんでボードごと身体を回転
- 波が通り過ぎたら元に戻ってパドル再開
この動画では、プッシングスルー、シッティングスルー、ローリングスルーを順番に紹介しています。
基本的に、プッシングスルーやシッティングスルーで対処できない波のときに、
ローリングスルーを行いましょう。
4. サーフボードを捨てる
ローリングスルーが間に合わないときや、大きな波でローリングスルーでも確実に流されると判断したときは、サーフボードを捨てて自分だけ深く潜って波をスルーする方法もあります。
しかし、この方法は、自分が波に流されない代わりに下記のようなデメリットも多いため、
極力使用しないようにしましょう。
- リーシュコードが切れる危険性がある
- ボードが壊れる可能性がある
- 周りのサーファーの迷惑になる
それぞれ紹介します。
1, リーシュコードが切れる危険性
自分だけ波の下に潜り込み、波をスルーしても、浮いているサーフボードは波の衝撃をモロに受けて、岸に流れようとします。
その衝撃でリーシュコードが強く引っ張られたり、地面の岩やリーフに引っかかったりする可能性があります。
リーシュコードが切れてしまうと、周りのサーファーにボードがぶつかったり、溺れたりする事故の原因につながる可能性があります。
ぼくも、初心者のときにリーシュコードが切れて、怖い思いをしたことがあります。
リーシュコードは、消耗品です。安全のためにも1年を目安に買い替えましょう。
2. ボードが壊れる可能性
ボードの捨てる角度によっては、ボードが波に巻かれたり、大きく波に叩きつけられたりすことによって、壊れる可能性があります。最悪の場合、ボードが真っ二つに折れる危険性もあるため、十分気をつけましょう。
※ちなみにサーフボードを捨てるときは、波に並行にして手放すことによって、折れにくいと言われています。
3. 近くに他のサーファーがいるときはボードを捨ててはいけない
自分の近くにサーファーがいる場合、ボードを捨てて波をスルーする行為はマナー違反です。
捨てたボードが他のサーファーにあったたりする危険性があります。
ボードを捨てるのは、周りにサーファーがいないときで、波に巻かれる危険があると判断した最終手段として考えておきましょう。
【まとめ】パドルアウトはサーファーが越えなければならない試練
大きな波の日にパドルアウトできないという悩みは、サーフィンを始めれば必ず訪れる試練です。
残念ながら、この試練で挫折しサーフィンをやめた友人も多く見てきました。
何度も大きな波に押し戻されて、
ときには心(ボード)を折られたりもします。
しかし何度もあきらめず、学び、経験し、挑戦し続けたものだけが、最高の波に乗ることができるのです。
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