今、SUP(サップ)が人気急上昇
現在、コロナ自粛を皮切りに、キャンプやサーフィンなどのアウトドア趣味が人気になってきてます。
特に、初心者でも簡単に水上を散歩できるSUPは、ここ数年で人気急上昇中です。
SUP(サップ)とは、「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略称で、写真のように、比較的穏やかな水上で浮力のあるボードに立ち、水面を進むアクティビティです。
初心者も簡単に乗ることができ、バランス感覚や体幹も鍛えられると、今話題の趣味です。
しかし、初心者でも簡単にできるアクティビティが故に、「岸に戻れない」などの事故数が年々増加しています。
今回は、SUPの事故件数や主な原因、事故にならないための対策をご紹介します。
SUPを経験したい方や始めようと考えている方必見です。
SUPによる事故件数の推移
SUPの事故件数をみると、令和2年から件数が2倍以上になり、令和3年でさらに増えています。
そして、これらの事故のほとんど97%が「帰還不能」による事故です。
事故者の38%がSUP初体験の人で、88%が経験年数3年未満の人になっています。
つまり、事故の原因のほとんどが技能・知識不足になっています。
これらの原因を覚えておき、事故を未然に防ぎましょう!
SUPで「岸に戻れない(帰還不能)」になる原因
SUPによる事故のほとんどである帰還不能。
これらの主な原因は以下の3つあります。
- 風にながされて帰還不能
- 潮流によって流される
- 離岸流によって流される
それぞれ紹介していきます。
【原因1】風によって流される
SUPで帰還不能になる原因で最も多いのが、風によるものです。
風は、天気や時間帯によって大きく変化することがあり、大きいボードでしかも立ちながらパドルするSUPは、風に流されやすくなります。
最近でも、SUPツアー中に風で沖合に流され14時間漂流した事故がありました。
真夜中の海で漂流するのは考えただけで震えます。。。
【原因2】潮流によって流される
海でのSUPは、無風でも、潮流によって流される可能性もあります。
特に初心者の場合、ボーッとしていると、数十メートル流されても気づかない場合がよくあります。
特に、大潮(干満の差が大きい)日は、潮の流れが早く、「漕ぎ続けなければ流される!」ってときもあります。
基本的に、干潮や満潮にあたる『潮止まり』の時間帯は、潮の流れは遅く、逆に、潮が動く『上げ潮』や『下げ潮』の時間帯は、潮の流れが速く、うねりの大きさも大きくなる傾向があり、SUPでの水上散歩には向きません。
※上の画像のようなタイドグラフは、釣りやサーフィンなどのマリンスポーツを楽しむなら見ていて損はありません。無料でいろんなアプリがありますが、念のためシンプルなものを紹介しておきます⇩
【原因3】カレント(離岸流)によって流される
波が発生している場所の近くや突堤、河口付近では、カレント(離岸流)が発生しやすく、特に流されやすいSUPは、すごい速さで沖に流されることがあります。
下の動画は、沖縄県嘉手納町沖でSUPをしていた男性がカレントに流されて、戻れなくなったところを釣り船で救助した映像です。水中の流れの速さが尋常じゃないことがわかります。
離岸流は、水泳選手が流れに逆らって進むのが困難なほど、流れが速くなることがあります。
ぼくもサーフィンでカレントに流されてトラウマレベルで怖い思いをしたことがあります⇩⇩
【恐怖体験】サーフィンで死にかけた話【パニックにならないために】
SUPで帰還不能にならないための対策【5選】
ここからは、SUPで帰還不能などの事故の原因にならないための対策をご紹介します。
- その日の気象を事前に確認
- うねりが大きい場所ではSUPをしない
- いろんな漕ぎ方をマスターしよう
- 風の変化に敏感になる
- ライフジャケットや通信機器(スマホ)を身につけておく
それぞれ紹介します。
【対策1】 その日の気象を事前に確認しておく
SUPをするときは、その場所の気象をしっかりと確認しておきましょう。
特に確認しておくべきなのが『風向き』『風速』『うねりの大きさ』です。
そしてこれらを全て把握できるのが『windy(ウィンディ)』です。
風向きや風速など、アニメーションで初心者でもわかりやすく見ることができます。
SUPする方なら必須のアイテムです!!
陸から海に向かって吹くオフショアの風が強いと、風で沖に流されやすく、海から陸に向かって吹くオンショアの風が強いと海面が荒れてSUPしづらい。
そのため初心者の場合は、風向きに関係なく風速は3m/s以下のところでSUPをするようにしましょう!
【対策2】うねりが大きい場所ではSUPしない
うねりが大きい場所では、離岸流も大きくなる傾向があります。
SUPで波乗りなどをしない(水上散歩だけする)場合は、うねりがほとんどないビタ凪の海や湖などのほうが楽しめます。
また、うねりの大きさも、『windy(ウィンディ)』で、ある程度確認することができます⇩
だいたい、1mを超えているとSUPは控えた方がいいです。
※うねりの大きさは、その場所の地形によって変わってくるので、現地へ行ってうねりが強ければ、他のポイントを探しましょう!
【対策3】漕ぎ方や方向転換の方法をマスターしよう
SUPの漕ぎ方、方向転換の方法はしっかりとマスターしておきましょう。
知識の差が、生死をわけることもあるのです。
【対策4】気象の変化に敏感になる
SUP中は気象の変化にも敏感になりましょう。
雨雲が近づくと、風の強さや向きが急に変化す可能性があります。
また、ただっぴろい海にSUPで突っ立っていたら、雷の格好の的になります。
雨雲が近づいてきたら、すぐさまSUPを中断し、急な風や雷に気をつけて避難しましょう。
【対策5】ライフジャケットや通信機器等を身につけておく
初心者の方は、帰還不能になってしまったときのために、海に落ちても溺れないようライフジャケットは身につけておきましょう。
また、帰還不能になったらすぐに連絡できるようスマートフォンなどの通信機器を、防水カバーに入れて身につけておきましょう。
また、ショルダーバックなどの中に、水や食料を用意しておくと、一層安心です。
もしも流されてしまったら【対処法3選】
海は大自然がゆえ、どんなに対策しても、事故が起こってしまう可能性があります。
ここからは、帰還不能になってしまった場合の対処法をご紹介します。
【対処法1】落ち着いて助けを求める
自分が流されていることに気づいたら、
近くサーファーや岸に向かって助けを求めましょう。
SOSのサインは、片手を大きく左右に振る動作です。
このとき、焦って全力で漕いだりしても、体力を消耗してしまうだけになる可能性があります。
近くに人が見えるなら、恥じずに全力で助けを求めましょう。
また、すぐに助けを求められるように、スマホなどの通信機器を携帯しておきましょう。
【対処法2】1番近い岸を目指す
流されてしまったと気づいたとき人は、元々自分がいた岸に戻ろうとします。
しかし、元々いた場所に流れに逆らって向かっても進まず体力を消耗してしまいます。
流されたと思ったら、流れ向きを読んで、一番早く辿り着ける岸を目指しましょう。
【対処法3】潮やカレントの流れを把握する
潮の流れやカレント(離岸流)によって流された場合は、
- 潮はどこ向きに流れているのか
- カレントはどこで発生しているのか
これらを落ち着いて観察し、流れに逆らわないように岸に戻るルートを探りましょう。
カレントに流されたときなどの対処法は、サーフィンと同じなので以下の記事で詳しく紹介しています⇩⇩
【まとめ】SUPはメチャクチャ楽しい
SUPは、サーフィンと比べ、ボードが大きく安定しており、初心者でも簡単に乗ることができます。
普段では見られない海からの景色や海の上を散歩している感覚は、悩み事など吹き飛ぶほどの楽しさです!
ただし、SUPは自然を相手にするアクティビティーなので、思わぬ事故に遭わないよう注意が必要です。
今回紹介した内容をしっかり頭に入れて、安全に楽しんでください!
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